こうした新興宗教と旧宗教、また新しい宗派の間にも競争意識が芽生え、信者獲得のために風呂が利用されました。
松寿寺を建てた大友頼泰は真教上人と、戦の傷病者の治療のために蒸し風呂を改造して、傷病兵の信頼を得ました。
温泉が戦による傷病に役立ち、仏教と温泉との繋がりが深いことを、武士、農民、一般大衆に知らしめたのです。
また、行基や空海などの高僧が全国を布教行脚する時に、各地で温泉を発見しては仏を祀り、戦の傷病の治療に利用しながら開発していきました。
「行基菩薩の湯」、「弘法さまの湯」などは、その名残です。